にくる
「おー、ベンチ空いてる！ 座れそう！」

パシン
「ここで食べようか、日当たりもいいし」

マデンス
「うん。パシンのサンドイッチってコールスローのほうだっけ、はい」

パシン
「ありがと」

にくる
「おなかすいたー！」

パシン
「やっぱりサンドイッチといえば公園だよね」

マデンス
「なんて？」

パシン
「サンドイッチは午後の公園で食べるのがいちばんうまい」

にくる
「なんで？」

パシン
「その方がなんか…おいしくない？」

マデンス
「カフェで食べるのはダメなの？」

パシン
「ダメじゃないけど…昼過ぎの公園の暖かさとか、風の涼しさとか、空の青さとか、舌だけじゃなくて、肌で感じる旨味というものがあってだね…」

マデンス
「なんだよそれ(笑)」

にくる
「パシンどうしたの？ コールスローサンドおいしくない？ わたしもらおっか？」

パシン
「や！ 悪くはないけど……食感が好きじゃないかも…コールスローと食パンの食感が合わない…」

マデンス
「ひっくり返したら？」

にくる
「えっ？」

パシン
「何を？」

マデンス
「いまそれコールスローが下でハムが上になってるじゃん。ひっくり返してハムを下にして食べてみたら？」

パシン
「えぇ？ 口に入れたら同じじゃん、そんなんで味が変わるわけでもないのに………あれっ、食えるな…？」

マデンス
「だろ？」

にくる
「え、そんな変わる？」

パシン
「ハムがあるから舌に直接コールスローが当たらなくなってそんなにまずくない…！ 順番だけでこうも変わるんだ…！」

マデンス
「マックのチーズバーガーあるじゃん？ あれなんかも逆さまにして食べると味が変わるんだよ」

にくる
「そうなの？！ そっちの方がおいしい？」

マデンス
「普通に食べた方がうまい」

パシン
「ハトがいっぱい近づいてきた。やらんよ、サンドイッチは！」

マデンス
「そうだそうだ、サンドイッチなんかよりもにくるちゃんの方がおいしいぞ」

にくる
「マデンスのサンドイッチあげるから許してー！」

パシン
「ねぇ、プラネタリウム始まるまでここでくつろいでてもいい？」

マデンス
「いいよ」

パシン
「ありがと」

にくる
「あ、イヤホン出した。今日は何聴くの？」

パシン
「森田童子」

マデンス
「今日"も"だね」

パシン
「そんな毎日は聴いてないでしょ…？ 最近はほら…角松敏生とか…」

にくる
「角松敏生？ のなんて曲聴いてるの？」

パシン
「まだ知ったばかりだからそんなに知らないけど…『Ramp In』って曲がお気に入り」

にくる
「ランプイン……へー、古い曲なんだ」

マデンス
「こいつそんな曲ばっかをダイソーのレトロスピーカーでいつも聴いてんの」

にくる
「3、40年ぐらい前に産まれてたらめっちゃ楽しんでそう」

パシン
「いや…旧世紀時代はタバコが…」

にくる
「あー、じゃあダメだー」

にくる
「マデンス、パシン、見て見て…！」

マデンス
「なに？ ランチやってます…？」

にくる
「めっちゃ"う"に見えない？」

マデンス
「ブフッ、あー、もうそうにしか見えない(笑)れ

パシン
「くっだらない(笑) ワタシにそんな下ネタが通用すると思ったら大間違いだよ」

にくる
「超ニヤついてんじゃん(笑)」

↑途中で何度か意識が飛んだけど起きてエンディングを観ることができたパシン