パシン
「マデンス見て、雲の隙間から光が！」

マデンス
「チンダル現象じゃないか」

パシン
「なんて？」

マデンス
「チンダル現象」

パシン
「な、何が？」

マデンス
「ああいいう雲の隙間から光がさす現象をチンダル現象っていうんだってよ」

パシン
「やだぁ〜」

マデンス
「そういう意味じゃないっての」

パシン
「お守りのお焚き上げ、まさか金属がダメだったとはね…」

マデンス
「じゃあどうするの？ その去年のお守り」

パシン
「中の大黒天だけ取り出して、昨日のおみくじの中でダブル大黒天を仲良く住まわせようかなって」

マデンス
「きのうと言ってることが真逆だ…」

パシン
「さぁーて、そうこう言ってるうちに昨日と同じ公園に来てしまったわけですが」

マデンス
「ですが〜じゃないんだよ」

パシン
「このシーソー、昨日は左右のバランスが取れていたのに今日は傾いている。ということは…」

マデンス
「ということは？」

パシン
「昨日コレで遊んだ後にわざわざバランスを整えた几帳面な人がいる、ということ！」

マデンス
「今年いちばんどうでもいい気づきだ」

パシン
「始まったばかりだからね、どんどん更新して行こう」

マデンス
「おまえも直すんかい」

パシン
「今日はまだ明るい。昨日行かなかった看板の奥、行けるとこまで行ってみようかな…？」

マデンス
「マジ…？ どこに繋がってるかわからないのに？ あ、でもいま人が向こうに入っていった」

パシン
「ということはどこかしらには繋がってるね、行こうか！」

マデンス
「私有地だったら引き返そうね」

マデンス
「思ったより開けてるな」

パシン
「ベンチがある…ということは散歩が想定された道かもしれない…？」

パシン
「あっ、ここは…！ 昨日この先へ行かずに引き返した道だ！」

マデンス
「ここに繋がっていたのかぁ」

パシン
「どうする？ この先行ってみる？」

マデンス
「地図にはなんて書いてある？」

パシン
「進んでいくと行き止まりなんだけど、最奥の方に養鶏場がある。卵の直売所もあるって」

マデンス
「プリンもあるかな？」

パシン
「行ってみようか」

マデンス
「なにあの小屋？ なにかいる…ちょっとパシン見てきて」

パシン
「えぇ〜っ…？！ えっと……カラストラップだって。近くのゴミ置き場を漁るカラスを捕まえるやつみたい」

マデンス
「はぁ〜、上から簡単に入れるけど、入ったら出られないようになってるのか」

パシン
「養鶏場はこの先だって。看板もある」

マデンス
「たまご〜」

パシン
「……直売所、わかんなかったね…あそこまで行ってわからないとは…」

マデンス
「あの看板の奥だったんじゃないの？」

パシン
「だって関係者以外立ち入り禁止って書いてあったし…」

マデンス
「卵を買いにくる客は関係者じゃないの？」

パシン
「わかんないけど、勝手に入って怒られたらヤだし…」

マデンス
「それとも反対側の…物が散乱としたボロい小屋の方だったのかな？」

パシン
「いずれにせよストリートビューもあの先へは入って行かなかったから進む勇気はないよ…」

マデンス
「暗くなる前に戻ろうか」

パシン
「ｵﾜｧｰｰｯいい空！！」

マデンス
「空を見るだけでこんなに元気になるとは」

パシン
「上を向いて歩こうって、坂本九も言っていた」

マデンス
「ちゃんと聴いたことないなそれ。どんな曲？」

パシン
「ひとりぼっちの人が涙をこぼさないように星空を見上げる曲、かなぁ？」

マデンス
「わりとシチュエーションが違くない？」

パシン
「細けぇこたぁいいのさ！ 空を美しいと思えばそれでいいんだよ」

マデンス
「雑なまとめ方だなぁ」