旅行会話録2025/02①「本と雪に埋もれて」

2025年02月12日 13:21

ポケットトッシュ
「シモノセティー‼︎」

マデンス
「無茶だろう、あまりにも」

にくる
「お茶要素なくない?」

パシン
「よく考えてごらん、"無茶"の中にお茶要素があるでしょ? 一見、言葉の中には抹茶要素がないように見えて、言葉の外側にある、ハイコンテクスト抹筋弁なんだよ」

マデンス
「もう滅茶苦茶すぎる…」

パシン
「滅茶苦茶! "茶"がふたつあるね」

マデンス
「わーーーうっぜうっぜ」

マデンス
「このホテル、ロビーにも廊下にも本がある。ぜんぶ読み放題か、最高だ…」

にくる
「こっちに絵も飾ってあるよ!」

パシン
「ホント? 見る見る」

にくる
「どう?」

パシン
「う〜ん…好きだなぁ、この絵」

マデンス
「見てよ、部屋の中にまで本がある!」

パシン
「嬉しそうだねぇ〜。泊まっている間に読み切れるかな?」

マデンス
「いやいや、こういうのは気になったやつだけ手に取ってみればいいんだよ。本は出会いさ」

パシン
「なるほど〜」

パシン
「マデンスさぁ〜」

マデンス
「ん?」

パシン
「服着なよ」

マデンス
「着てるじゃん」

パシン
「下もだよ」

マデンス
「お風呂上がりで暑いから体冷やしてんだよ。なに、イヤなの?」

パシン
「そうじゃないけど。冷やしすぎて風邪ひかないでよ?」

マデンス
「だいじょうぶ」

パシン
「ぜったい後で寒いって言うんだから…」

─翌日─

マデンス
「……にくるちゃん、なに見てるの?」

にくる
「いやー、こういうビュッフェスタイルって、盛り付けに性格出るなーって思って」

パシン
「えっ?」

マデンス
「……おぉ」

パシン
「…そこまで変じゃないでしょ?」

マデンス
「なーんかそれぞれの皿から違和感というか…大根のつまとか佃煮の位置がそこなの?って感じがする」

パシン
「あんまこだわってないだけだよ… ホントは和食にしたかったんだけど、味噌汁がなかったから和食になりきらなかったって感じだよ」

にくる
「食べられそうなおかず、あんまなかった?」

パシン
「いや、そんなことは……自分が偏食家だと認めたくない…にくるちゃんとマデンスがなんでも食べられるというだけじゃない…?」

にくる
「雪すごいねー。きのうの夜とかめっちゃ吹雪いてたの聞こえたもんね」

マデンス
「そうなの? ぜんぜん気づかなかった」

にくる
「え? うそ?! あれ気づかないことある? 寝てた?」

マデンス
「あー、まぁ……意識なくなるまで読み耽ってた…しなぁ……。それより今日どうする?」

にくる
「この雪の中、外に出るのキツそうだよねー。地面凍ってるかもしれないし、そういえばパシンもなんか顔色悪いし。だいじょうぶ?」

パシン
「う〜〜〜ん……寝不足だし、低気圧だし、寒いし、いつもと違う寝所だしで……今日はダメだ」

マデンス
「じゃあ今日はホテルの中で本を読みまくるか」

パシン
「ごめん…」

にくる
「いーのいーの! こういうこともあるだろうと思ってあんまり予定立ててないしね!」

マデンス
「と、ゆーわけで……」

ポケットトッシュ
「ジ・ヤスミンティー‼︎」

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