散歩会話録2024/12/25「クリスマスの夕空とパンケーキ」

2024年12月25日 15:58
カテゴリ: 散歩会話録

パシン
「こいつら…そろいもそろってコクコクコクコクと…」

マデンス
「なにをそんなに険しい顔してんの」

パシン
「ちょっと寒いからあったかいコーヒーにしようと思ったんだけど、普段こういうの買わないから違いわかんなくて」

マデンス
「う〜〜ん……ぜんぶコクのある微糖、だね」

パシン
「ねぇ、マデンスならどれにする?」

マデンス
「いや、ぼくコーヒー飲まないし…」

パシン
「んじゃぁー……コレだ!贅沢微糖!」

マデンス
「贅沢だねぇ」

パシン
「同じ値段なら"贅沢"って書いてある方が、なんかお得じゃない?」

マデンス
「俗物だねぇ」

マデンス
「コーヒーどう?」

パシン
「わかんない。甘いコーヒー牛乳」

マデンス
「全部買って飲み比べるべきだったね」

パシン
「無理無理、そんな飲めない(笑)」

マデンス
「お腹タプタプになるか」

パシン
「その前にカフェイン中毒になるよ」

マデンス
「(笑)」

パシン
「マデンス見て見て、過剰ピン刺しGoogleマップ」

マデンス
「うーっせうっせうっせ」

パシン
「今日の空の色、最高じゃない?」

マデンス
「いいね、舐めたら甘そうな色してる」

パシン
「えっ、何それ」

マデンス
「ん?」

パシン
「マデンスってそういうこと考えるタイプだったの?」

マデンス
「えっ?! だってパシンがよくキモいこと言ってるから、ちょっと合わせてみようかなと思って…」

パシン
「スゥーッ……最高だね…ワタシのためにちょっと気持ち悪くなろうとしてくれたの? 最高。スーッ、あーっ、最高」

マデンス
「上回るキモさで超えてこようとするな」

マデンス
「うわっ、なんかこっちの空すっごく紅くない?」

パシン
「ほーんとだすっごい!びっくりするほど夕焼けや!」

マデンス
「びっくりするほどユートピアみたいに言うな」

パシン
「ちょっとまって今日の空芸術的すぎない?」

マデンス
「すっごいね」

パシン
「こんなにいい空見せてもらっちゃっていいんですかーっ?」

マデンス
「なんと今だけ大セール! たくさんカメラにお納めください!」

パシン
「やったー!」

マデンス
「なんだよこれ…」

パシン
「あっという間に暗くなってしまった」

マデンス
「冬の美しい夕焼けは、短く、儚い」

パシン
「何言ってんの?」

マデンス
「だめ?これも?」

パシン
「あ、でも写真撮るとまだちょっといい感じの色してる」

マデンス
「おおー、いいね。夏はこんなんじゃなかったよね」

パシン
「そういえばそうかも。夏は昼空がよかったね」

マデンス
「春はあけぼの的な」

パシン
「春はあけぼの、夏は昼空、冬は夕焼けときて…秋は?」

マデンス
「秋…秋は……あ、9月をパシンの命日にしたじゃん」

パシン
「秋は命日、完成しちゃったな……春はあけぼの、夏は昼空、秋は命日、冬は夕焼け……秋だけ物騒すぎない?」

マデンス
「ど直球の死!!」

マデンス
「パシン、見てこの看板。重要な部分が全部抜けてる」

パシン
「大喜利しろってこと?」

マデンス
「(笑) そうくる?」

パシン
「冬は大喜利看板?」

マデンス
「年中ずっとここにあるだろう、看板なんて。冬ばっかり増やしてどうすんだよ」

パシン
「(笑)」

マデンス
「ぜんぜん人がいない…」

パシン
「クリスマスのアウトレットモールって、人でごった返してると思ったのに…」

マデンス
「みんな家で家族や恋人と過ごしてるんだろう」

パシン
「ワタシたちは陰の者だから、リア充のやることが想像つかなかったってワケですか」

マデンス
「ま、いいじゃない。お店はやってるし。せっかく閑散としてるんだ、楽しもうじゃないか」

パシン
「よーうし。あのクレープ屋、行くか…」

    /マッチャコナドゥー!\

マデンス
「なにしてんの?」

パシン
「散歩のついでに商品宣伝画像を撮ろうと思ってポケットトッシュ連れてきた」

マデンス
「ふーん。ねぇ、そのクレープひと口ちょうだい」

パシン
「好きなだけ食べていいよ、一緒に食べようと思ってかったから」

マデンス
「やったね、サンキュー」

パシン
「ね、マデンス。服とか一通り見たらさ、パンケーキ食べに行かない?」

マデンス
「いいけど…クリスマスケーキじゃなくて?」

パシン
「の、つもりだったんだけどさ、なんかケーキを出してるカフェをスマホで調べてもわからなくて…」

マデンス
「普段お高いカフェなんて行かないもんね。それで見つけたのがその店?」

パシン
「そう、クリスマス…パンケーキってことで…」

マデンス
「いいよ」

マデンス
「見て見てパシン、じゃ〜ん。最高のやつ〜! 熱々のハーブティーも添えてさ、冬はこうでなくちゃ!」

パシン
「喜んでもらえて何よりだよ」

マデンス
「なんでパシンはパンケーキ頼まなかったのさ」

パシン
「食べるつもりだったんだよ? たださっきのクレープでお腹いっぱいになっちゃって……」

マデンス
「だらしないお腹だなぁ」

パシン
「そういう意味じゃなくない?」

マデンス
「仕方ないなぁ、ぼくのをひと口あげるよ」

パシン
「話聞いてた? それにワタシ果物はにが……」

マデンス
「はい、あーん」

パシン
「あ、あーん………すっぱ…!えっ、レモンソースってこんなにすっぱいの…?!」

マデンス
「クリームの方に甘さがあるからね。はい、次のいくから口あけて」

パシン
「もういいよ、もういい…! はぁ、それはともかく、おかげさまで今年もなんとかやってこれたので、えーっと…今年もお世話になりまし…」

マデンス
「早い早い、気が早いよ。まだ1週間もあるぞ、そういうのは蕎麦を食べながらでいいじゃん」

パシン
「そ、それもそうか…」

マデンス
「さっきよりもっと人が減ってない?」

パシン
「いないねぇ…人がいないクリスマスの夜…最高…!」

マデンス
「でも気温下がってめちゃくちゃ寒い。まさかこのまま歩いて帰るの?」

パシン
「さすがに電車使って……」

マデンス
「だよね〜」

パシン
「乗り換えの駅から歩いて帰ろう」

マデンス
「正気?!」

パシン
「自分…狂人、ですから…」

マデンス
「うまいこと言ったふうな顔してんじゃないよ。は〜ぁ、しょうがないからついてってやるよ〜。パンケーキ奢ってくれたお礼だ」

パシン
「フフ、ありがとう。来年もよろ…」

マデンス
「だから気が早いっての」

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