パシン
「さっきまでは涼しかったのに、もう暑くなってきた」

マデンス
「日が登った途端にこれだ。日陰の道を通ろう」

パシン
「この時期はアジサイがいっぱい咲いてるね」

マデンス
「ぼく、アジサイって好きだな。この青色がいい」

パシン
「マデンスはアジサイは青色派？」

マデンス
「だね」

パシン
「ワタシもー。あ、いや、ちょっと赤が混じった紫寄りの青がいいかも」

マデンス
「細かいなぁ」

パシン
「暑くて喉乾いてきちゃったから自販機で何か買いたいけど、ペットボトル一本はいらないな…」

マデンス
「ぼくが選んでいいなら半分飲むよ」

パシン
「マジ〜？ 色々助かる〜」

マデンス
「なんだ色々って」

マデンス
「ほい」

パシン
「えぇ〜？！ コレすっぱくない？」

マデンス
「すっぱくないよ」

パシン
「ホント〜？ なんか記憶ではすっぱかったような気がするんだけど」

マデンス
「すっぱくないって」

パシン
「なんかニワトリの声しない？」

マデンス
「どう見たってニワトリじゃないだろう」

パシン
「あの鳥じゃなくて。ほら、ちょっと遠くから聞こえない？」

マデンス
「……ほんとだ、聞こえる！ ニワトリってほんとに朝に鳴くんだ…！」

パシン
「この近くだ」

マデンス
「どこからだろう」

パシン
「……鳴き止んじゃった。」

マデンス
「気配を感じ取られた…？」

パシン
「……帰ろっか」

マデンス
「暑いしね」